彼岸(ひがん)は仏教用語で、「向こう岸」を意味します。迷いや苦しみから解放された理想的な境地、悟りの世界を象徴します。現世の対極にある理想郷として扱われ、彼岸に到達することが修行の目標とされます。春分の日と秋分の日に行われる彼岸会という仏教行事もあります。
此岸(しがん)は仏教用語で、「この岸」つまり現在いる側の世界を指します。迷いや苦悩に満ちた現実の世界、日常生活を営む生死輪廻の世界です。悟りを求める前の状態で、修行によって超越すべき領域として位置づけられます。
使う場面では、彼岸は理想や目標、精神的な境地を語る時に用い、此岸は現実や日常、苦悩の世界を語る時に用います。ニュアンスとしては、彼岸は希望や理想性を含み肯定的、此岸は苦しみや限界を含み相対的です。対象では、彼岸は抽象的な精神世界、此岸は具体的な現実世界を指します。比喩的に人生の目指すべき場所と現在地の関係です。
理想や悟り、精神的な目標について述べる時は彼岸を、現実の苦しみや日常世界について述べる時は此岸を使い分けます。どちらも仏教の文脈で使用される対概念なので、現代的な日常会話ではあまり使われません。文学的・哲学的な文脈での使用が適切です。