抽象化とは、具体的な事物や現象から個別的・付随的な特徴を削ぎ落とし、共通する本質や原理を抽き出す知的作業です。数学や哲学で用いられることが多く、複雑な現実をシンプルな形式に置き換えます。多くの事例から普遍的な法則を見つけ出すときに機能します。
概念化とは、複数の事象や経験をカテゴリーにまとめ上げ、統一的な考え方の枠組みを作る過程です。分散した情報を整理し、意味のある単位として捉え直す作業です。経験や観察から新しい理解の枠組みを形成する際に活躍し、より実践的な側面があります。
抽象化は『引き算』で本質を抽出するのに対し、概念化は『足し算』で意味のまとまりを形成します。抽象化は数理的・論理的で理論構築に向き、概念化は解釈的で現象理解に向きます。抽象化は個別から普遍へ、概念化はバラバラから統一へ進みます。また抽象化は既存の特性を除去し、概念化は新たな関連性を発見する点で異なります。
理論や法則を求めるなら抽象化。複雑な現象を整理して理解したいなら概念化。数学・論理的分析では抽象化、心理学・文化研究などでは概念化を選ぶ傾向があります。